不動産投資の減価償却費について考える
今回は減価償却費について考えてみます。
減価償却費は、実際にはお金が出ていかないけど、経費にできる節税には欠かせない項目です。
個人での不動産所有でも法人での所有でも、利益のコントロールには欠かすことのできない知識になっています。
サラリーマンにはあまりなじみのない知識である減価償却費。
なるべくわかりやすく解説します。
1年で償却できる減価償却費はいくら?
定額法
毎年、同じ金額だけ減価償却費を計上していく方法です。
計算式は下記の通り。
取得価格×定額法償却率
1000万円の資産を10年で償却する場合、毎年100万円ずつ償却することになります。
※定率法もありますが、平成19年4月1日以降に取得した建物、平成28年4月1日以降に取得した設備は定額法でしか償却できないので、これから不動産投資を始める人は、減価償却の方法については定額法のみを考えればいいです。
減価償却は、土地は含まれません。
なので、売買契約の時に建物の価格を多くしたい人が多く、色々揉めることがあるようです。
減価償却費は耐用年数の間、償却し続けるものです。
なので、法定耐用年数がポイントになります。
不動産の場合、建物の構造によって耐用年数が決まっていますので確認していきます。
耐用年数
RC・SRC:47年
鉄骨(厚みによる):19年~34年
木造:22年
となっています。
設備に関しても法定耐用年数がある
設備に関しては物によって法定耐用年数は様々です。
色々調べていく中で、ガス給湯器の法定耐用年数に関して、議論が分かれていました。
ここら辺のくくりは難しいみたいで、建物付属設備なのか、家具、電気機器及び家庭用品なのか、議論が分かれていました。
私の解釈としては、一般的なガス給湯器であれば家庭用と判断します。(あくまで個人の解釈です)なので耐用年数は6年だと判断します。
国税庁の資料を載せておきますので、参考にしてください。
https://www.town.yubetsu.lg.jp/40gyosei/03plan/files/AM_03taiyonensu.pdf
参考までに、今まで私が交換したのは、エアコンやガス給湯器です。
国税庁の資料から判断すると、エアコンもガス給湯器も法定耐用年数は6年みたいです。
余談ですが、上記の設備どちらも、プロパンガス屋さんに交換してもらっているので、私の負担は0です。
本当にありがたい話です。
物件が中古の場合
収益不動産も、よほどの富裕層でないと、なかなか新築で買う人はいないと思います。
中古の物件の場合、法定耐用年数の計算がちょっと変わります。
法定耐用年数内の物件の場合
(法定耐用年数ー経過年数)+(経過年数×20%)
法定耐用年数超過の物件の場合
法定耐用年数×20%
売却時の注意
物件を売却する時には、どれくらい減価償却を行ったかによって、売却益に大きな差が出てきます。
売却時に必ず確認しなければならない部分に、簿価というものがあります。
簿価とは、帳簿上の数字であり、実際の資産の値段などとは異なります。
実際に売れた金額と簿価の差があればあるほど、売却益があったとみなされます。
ざっくり説明すると、
取得時の金額 1000万
簿価 500万(500万減価償却をしたとする)
売却額 1000万
売却益 500万
となります。
取得時の金額と売却額だけを見ると、売却益は0円に思われますが、実際は減価償却をして経費計上している部分がありますので、簿価上は500万円の物件として考えられます。
なので、この場合は売却益が500万となり、その500万に対して課税されます。
資金に余裕がある方は問題ないと思いますが、お金がないから売却をするという方は、思っていたほど手元にお金が残らないなんてこともあると思います。
まとめ
減価償却費についてまとめてみました。
計算に色々な要素を含めなくてはならないので、頭を使う項目の一つです。
しかし、利益を適切にコントロールしたり、節税をするためには絶対に必要な知識になります。
わからない部分は、国税庁のページを参考にしたり、税務署に直接聞いてしまうというのも手だと思います。
しっかり申告して、しっかり節税して、しっかりお金を残していきましょう!